嘘を愛する女

  • 2018.12.10 Monday
  • 20:14

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食品メーカーに勤める川原由加利は、東北で震災があった日、東京で小出桔平と不思議な出会いをした。

それから5年。二人は同棲をし、幸せなごく普通の生活をしていた。

ある日突然、警察官が訪ねてくるまでは。

桔平はくも膜下出血で倒れ、意識を失ったのだ。

警察官の話によると、桔平は職業も名前も嘘をついていたという。

一体彼は何者なのか。

5年間も桔平の嘘を信じ続けてきた由加利は彼の本名も過去も知らないことにショックを受け、意を決して私立探偵に彼の素性を探ってもらうことにした。

そして見つけたのは、彼が書いたと思われる700ページにも及ぶ小説。

そこには彼の秘密と思われるヒントが隠されていて・・・・。

 

出会い方がとても印象的で、それは絶対に忘れられないもの。

一瞬で恋に落ちるか変人扱いされるか()

にしても5年間隠し通せたことに称賛を送りたい。

どれだけ隠しても生活を共にしていれば何となく地域性というものは出るだろうし、偽名が通るほど世の中甘くないぞと思いますが・・・・。

余程詐欺師の心得があったのでしょう()

でも、その過去を知ると何とも切なくなります。

過去を捨て去って新しい自分、新しい生活を始めたいと思う気持ちもよく分かる。

信じて欲しかったな。

彼女のことを大切に思ってるなら、彼女のことを信じて、ちゃんと自分の過去と向き合って一緒に乗り越える選択を早くして欲しかった。

起こってしまった事実は変えられないのだから・・・・。

 

空人

  • 2018.12.01 Saturday
  • 07:35

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1945年、若い正義感で勝雄は特攻攻撃隊に志願した。

自分の将来の展望も死への恐怖もなかったが、ある時自分を弟のように可愛がってくれる阿部の妹を写真で見て恋慕を募らせ、死へと急ぐ刹那的な感情を引き止めた。

いよいよ出撃命令が下されたある日、勝雄は高熱を出してしまった。

出撃を断念した彼の代わりになったのが、阿部だった。

そして終戦。阿部は帰らぬままだった。

それから70年が過ぎた。

余命半年と宣告された勝雄は罪滅ぼしにと阿部の菩提寺、山形県天童市の若松寺へ向かう。

そこで偶然、静子の娘・紀和と出逢い、静子が既に他界した事を知る。

自分の身代わりになったようなものの阿倍の死と、交わした約束が果たせなかったという後悔の念に駆られた勝雄は、その罪ほろぼしのため、この寺の風習「むかさり」を行う事を決意したのだった。

 

本来ならば自分が特攻で亡くなっているはずだった。。。。

そう思いながら生きている方が大勢いらっしゃると思います。

生死を分けたのはほんの偶然の出来事で、それは誰にもどうしようもない運命なのだけど、それをずっと後悔として胸に刻んでいる方たち。

亡くなった方も不幸だけど、生き残った方も辛い・・・。

その辛さをどう昇華して、亡くなった方に報いるのか。それは人それぞれのやり方があるでしょう。

このお寺の「むさかり」という儀式は、そういう方の心を救う、まさにお寺の意味だと思いました。

 

わさび

  • 2018.11.23 Friday
  • 07:52

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櫻の花が咲く季節、ひとりの女性が警察に保護された。身元不明のその女性には、どうしても行きたい場所があるという。

ソメイヨシノは60年咲くことができないという噂の真偽を確かめたいというのだ。

ひょんなことから彼女を案内することになってしまった青年・幹夫と共に既に廃校となったかつての学び舎へ向かう二人は・・・。

女子高生が心の病を抱えた父を守るために実家の寿司屋を継ぐ決意をする『わさび』のほか、老老介護の果てに心中を図った夫婦を描いた『此の岸のこと』を収録。(アマゾンより抜粋)

 

穏やかな日常に起こるちょっとした転機を丁寧に描いた作品と、どうにもならない現実に直面して、それにきちんと向き合った作品。

どれもじんわりと心に残る作品でしたが、私的に強烈だったのが、最後の『此の岸のこと』。

老々介護という、これからの日本が避けては通れない。いやすでに問題視されているテーマに向き合った作品で、最後に救われたのか救いがないのか賛否分かれる作品です。

この問題に正解などありません。

人の数だけ、介護の数だけ結果がある。

それを突きつけられる作品です。

本当にその問題に直面する前に、どんな支援があり、どんな制度があり、ということをちゃんと知っておかなければならないと思いました。

まだ大丈夫。まだ先の話。で済ませてはいけない話です。

おじいちゃん、死んじゃったって

  • 2018.11.21 Wednesday
  • 07:26

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春野吉子が彼氏とのSEXを中断して鳴り続ける電話に出ると、それは祖父の訃報だった。祖父の死をきっかけに、家族が久々に集まるが…。(アマゾンより抜粋)

 

集まった家族がひと癖もふた癖もある個性的な面々なのに、どのキャラにも共感出来なかったという珍しい作品でした()

とにかく、人として、大人として、それはどうよ? って親族ばかり。

その息子も娘もどこかズレてて・・・・でもまあ、親世代よりはマシかと思いますが。

結末もスッキリとはせず。

まあ、これから少しは変わるんだろうけど、という具合。

身近な死をきっかけに一歩踏み出す女性を描いたそうですが・・・・ちょっと残念なラストだったと思います。

 

8年越しの花嫁

  • 2018.11.19 Monday
  • 07:38

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ある夫婦の実話を映像化。

結婚を約束した尚志と麻衣。二人は幸せになれるはずだった。

ところがある日、麻衣が頭痛を訴え、原因不明の病によって意識不明の重体に陥ってしまう。

昏睡状態が続く麻衣を見舞う尚志。

麻衣の両親は、目覚める保証のない娘に尚志の人生を無駄にさせてはいけないと、別れを促す。

だが尚志は一緒にいることを決意。

そして奇跡的に目覚めた麻衣は・・・・。

 

8年と言う長い時間、彼にとって麻衣との思い出と想いが唯一の支えだったことがよく分かります。

それでも挫けそうになることもあったでしょうに、辛抱強い人だと思いました。

そこまでして献身的に支えた彼。でも身を引く潔さもあった。とても心に響きます。

世界は今日から君のもの

  • 2018.11.18 Sunday
  • 07:27

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高校の頃から5年間、引きこもりで漫画やイラストの模写をして過ごしていた小沼真実は、ある日、父の勧めでゲーム会社のバグ出しの仕事を始めることになった。

人と関わらなくても良い職場で、続けられそうだと思っていたが、ひょんなことからゲームのイラストに手を加えたことで、同じ職場の矢部に絵の才能を認められることに。

彼への仄かな恋心から、彼の役に立ちたいと思い、新しいゲームキャラのイラストを引き受けたのだが、なかなかアイデアが生まれない。

悶絶しているうちに、ついに締め切りが迫ってきてしまい・・・・。

 

引きこもりでも誰かの役に立ちたいと思ってるんです。

引きこもりでも少しは人と交流したいと思ってるんです。

世界でただ一人だけだと思いたくないんです。

でも、新しい世界に行くにはリハビリも必要なんです。

主人公・真実の怖さはとても理解できるし、何とかしたいと頑張る姿にエールを送りたくなるし、やっぱりダメだと絶望する姿には共感を覚えます。

そこから一歩、どう動くか。

そこが大切なんだろうなと感じた作品でした。

 

ナラタージュ

  • 2018.11.16 Friday
  • 07:30

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高校生の時、泉は学校に馴染めず密かにいじめを受けていた。

そんな彼女を演劇部に誘い、ことあるごとに話を聞いてくれたのが、演劇部顧問の葉山。

二人の間には人に言えない秘密があったが、想いは遂げられず卒業と同時に疎遠になっていた。

そして2年が経った頃、葉山からの思いがけない連絡により再会。泉の葉山に対する気持ちは募っていく。

 

不安定な情緒の高校生が大人の教師に想いを寄せる。よくあるパターンです。

そして卒業後に互いを縛るルールがなくなってからの再会。

それはもう歯止めがききませんよね()

王道ストーリーですので、展開も結末も余裕をもって鑑賞できます。

ラストレシピ  麒麟の舌の記憶

  • 2018.10.17 Wednesday
  • 18:39

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幼い頃両親を亡くし、施設で育った佐々木充は、すべての味を記憶し再現することが出来る絶対味覚・麒麟の舌の持ち主。

自らの才能を頼りに起業したが、味に妥協しない信念が足枷となって失敗。多額の借金を背負うことになった。

その後、依頼人の『人生最後に食べたい料理』を再現して高額の報酬を得る料理人に転身。

そんなある日、彼に巨額の依頼が舞い込んできた。

依頼内容は、かつて満州国で日本人料理人の山形が考案したといわれる伝説のフルコース『大日本帝国食菜全席』のレシピの再現。

佐々木と同じく麒麟の舌を持っていたといわれる山形の料理とはいったいどんなものなのか。

70年の時を超えて、佐々木は真実にたどり着くことができるのか。

 

さすがに内容の濃い物語でした。

時代背景もさることながら、謎解きのように進んでいく展開。

散りばめられたヒント。

家族の愛と料理に対する情熱。そして仲間との絆。

何故レシピが失われたのか、その真実が明らかになった時、自分以外を切り捨ててきた佐々木の気持ちの変化。

レシビに関わった多くの人の想いを感じた時、胸が熱くなります。

ユリゴコロ

  • 2018.10.13 Saturday
  • 12:57

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男手ひとつで育ててくれた父が余命宣告され、婚約者の千絵は忽然と姿を消した。

カフェを経営していた亮介はその出来事を受け止めきれずにいた。そんな矢先、千絵からの伝言を手に細谷という女性が現れる。

彼女に千絵の行方を捜して欲しいと依頼する一方、亮介の頭を占めていたのは、実家の押し入れで見つけた一冊のノート。

それは、人を殺すことでしか自分の生きる世界と繋がれないという女性の告白だった。

衝撃的な内容に目が離せなくなる亮介。

自分はなぜこのノートに惹かれるのか、そして何故このノートが実家にあるのか。

やがて物語は思いもよらない結末へと導かれていく・・・。

 

ノートの告白は本当に衝撃的でした。

けれど、現在の犯罪を知るにつけ、そういう人がいない世界ではないのだろうなということがさらにこの物語を芯から震えさせるものになっていると思います。

人を愛するのに必要な要素。

誰もが持って生まれてくるものだと疑っていないもの。

人を殺すという一線は、簡単には超えられないものだと信じているもの。

自分や社会を支えている根源が揺さぶられている気がしました。

 

 

斉木楠雄の災難

  • 2018.10.10 Wednesday
  • 07:57

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高校生の斉木楠雄は生まれながらに強力な超能力の持ち主だった。

クラスメートは個性豊かなトラブルメーカーの集まりで、斉木は彼らの巻き起こす災難に巻き込まれっぱなし。

そのある日、文化祭の当日に問題を起せば次年度の文化祭はなしというお達しが。

文化祭の日に小旅行するのを楽しみにしていた斉木は、文化祭死守のために超能力を使って問題回避に努めることにした。

だがトラブルはひっきりなしに起こり、ついには地球存亡の危機にまで発展する。

果たして斉木はこの危機を乗り越えられるのか!

 

週刊少年ジャンプで連載されていた漫画が原作。

並外れた超能力のせいで普通の生活も送れず、人並みの感動や感情すら薄い斉木くん。

彼の物静かでクールに突っ込みがなかなかツボです。

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