ハッチとマーロウ   青山七恵

  • 2019.02.11 Monday
  • 08:36

JUGEMテーマ:読書

 

「ママは大人を卒業します!

突然そう母親に宣言された11歳のハッチとマーロウ。

その日から双子の姉妹は学校に行きながら家事をしたり、洋服を自分で選んだりしなくてはならなくなった。

戸惑いながらも母親の卒業宣言を受け止め、少しずつ自我を目覚めさせていく二人。

ちょっと変わった家庭だけど、二人でいれば大丈夫。そんな日常が過ぎていく。

 

子供が小学生で、母親がいきなり大人の責任を放棄。と聞くと虐待!? って言葉が頭をよぎりますが、この母親も双子の姉妹もそんな悲壮さとは無縁。

愛情がなくなったワケではなく、自分を守るための休養ってカンジの母親に共感する人もいるのでは。

頑張らなくてもいいんだよ。子供は自力でも育つ逞しさをもってるから。

そんなエールが聞こえてきそうな作品でした。

少年アリス   長野まゆみ

  • 2019.02.05 Tuesday
  • 07:39

JUGEMテーマ:読書

 

 

夜の学校をのぞいてごらん。今夜も少年たちが夜空に星をぬいつけているよ。ラストを含め大幅改稿!(アマゾンより)

 

不思議の国のアリスや銀河鉄道の夜に似た雰囲気。

向こうの世界にいった彼は、こちら側に帰ってこれるのかなぁ。

子供にも読めるファンタジーです。

海の見える理髪店    荻原浩

  • 2019.02.02 Saturday
  • 07:20

JUGEMテーマ:読書

 

有名な俳優や財界の名士が通い詰めるほどの腕をもった理容師。だがある時、公の場から姿を消してしまう。

そして静かなウワサが流れる。『海の見える理髪店』があると。

そんな店に一人の男性が予約を入れた。

最初で最後。特別な想いで店の扉を開いた男性と、年を取った理容師との静かな時間が始まる。

 

父親の形見である古い時計を修理するために訪れた時計屋で、忘れていた父との思い出がよみがえる『時のない時計』

 

数年前、たった一人の娘を中学生の時に亡くした夫婦は、生きていれば成人式を迎えるハズだった娘に代わり、式典に出席しようと思い立つ。

夫婦の気持ちに共感したかつて娘の同級生だった子たちは夫婦の願いを叶えようと団結する。

 

それぞれの人生をひと時切り取った短編集。

とても静かにその人たちの気持ちが流れ込んできます。

短編だけど深く心に響く作品。

海の見える理髪店も素敵でしたが、成人式も夫婦の仲良さと流れた時間の重みが胸にしみて素敵でした。

天使の子   小手鞠るい

  • 2019.01.28 Monday
  • 08:20
小手鞠 るい
河出書房新社
(2014-01-22)

JUGEMテーマ:読書

 

著者より

ニューヨーク州の片田舎で私がこの事件に遭遇したのは、今から十年ほど前のことでした。

ひとりの女性として、人の子として、私は事件に興味を抱き、吸い寄せられるようにして、取材を始めました。

けれど、当事者や関係者の話を聞けば聞くほど真実は遠ざかってしまい、書くことを封印したまま、長い歳月が流れました。

そんなある日、ふと手に取った古い詩集を開いた時、この小説の一行目が舞い降りてきたのです。

まるで光に包まれた天使のように。

 

実話を元にして書き下ろされた問題作。

私的には利己的な話だなぁと感じて、印象に残りませんでした。

というより、誰にも共感できない。

愛する人がある日突然障害を負ったのは悲劇だけど、そのあとのことはあまりにもご都合主義で、障がい者なら何をしてもいいの?(双方ね) って思ってしまった。

ファミリーツリー   小川糸

  • 2019.01.25 Friday
  • 07:21

JUGEMテーマ:読書

 

 

長野県穂高の小さな旅館で生まれた弱虫な少年、流星は「いとこおば」にあたる同い年の少女リリーに恋をし、かけがえのないものに出会う。料理上手のひいおばあさんや、ちょっと変わったおじさんなど、ユニークなおとなたちが見守るなか、ふたりは少しずつ大人になっていく。(アマゾンより抜粋)

 

ファミリーツリーとは家系図をそう例えたタイトルだなということは読んでいてすぐに理解できました。

血縁関係は素晴らしい、とか、切れない絆とかを描きたかったのかもしれませんが、私にはちょっと物足りなかったかな。

ファミリーであるがゆえの複雑さも含まれてはいたけれど、さらりと流れてしまった感がありました。

後妻業   黒川博行

  • 2019.01.22 Tuesday
  • 07:33

JUGEMテーマ:読書

JUGEMテーマ:映画の感想

 

91歳の耕造は妻に先立たれ、69歳の小夜子を後妻に迎えていた。

ある日耕造が倒れ、小夜子は結婚相談所の柏木と結託して早々に耕造の預金を引き出す。

さらに公正証書遺言を盾に、遺産のほぼすべてを相続すると耕造の娘たちに宣言した―。

高齢の資産家男性を狙う“後妻業”を描き、世間を震撼させた超問題作。(アマゾンより抜粋)

 

詐欺の中の一つだけれど、男の間抜けさが際立ってたなぁと思いました。

それとも、男というものは家族よりも自分が大事なんだろうか。

男には血の繋がりを大切にする意識が欠けてるんだろうか。

そもそも家族という意識はないのだろうか。

結婚は確かに個人と個人の契約です。

妻に先立たれ、子供たちも独立し、寂しいから後添えが欲しいと思う気持ちは理解できますが、それならば子供たちに相談なり報告なりがあってもいいと思うのです。

そしてその時に、財産や介護をどうするかという話し合いもすべきだと思うのです。

子供たちが成人しているなら、生前贈与を済ませておくとか、再婚相手の財産分与を確保したうえで不公平のないようにしておくとか。。。。

何だか、男のスケベ心に付け込まれて財産を巻き上げられた上、殺されるなんて、お金にもエロスにも欲をかいたツケだなとしか思えず、もしこれが自分の父親なら情けなくて縁を切りたくなっても仕方ないなと思います。

いやいや、待てよ。

私なら再婚相手に相続権を放棄させる公正証書を作ってもらっておくかな()

『お金がないなら優しくしない』っていうのはお父さんを本当に愛してることにはならないんじゃない? とか言いくるめて。

――――――――――やっぱり女は怖いなぁ()

ちなみに。

原作と映画では結末がまるで違いました。

私は原作の方が好き。

銀の猫   朝井まかて

  • 2019.01.20 Sunday
  • 07:59

JUGEMテーマ:読書

 

 

口入屋の『鳩屋』は、新しい仕事として、年寄りの介護をする「介抱人」を始めた。

年よりの介護は家の家長という決め事があるが、意外と裕福な層からの需要は多い。

普通の奉公よりも給金が良いため、事情のある女たちも控えている。

お咲もその中の一人だが、妾奉公を繰り返し、お金にだらしなく、散財も酷い母親の借金を背負わされながらも、誠心誠意、お年寄りに尽くして人気の介抱人となっていた。

時には人生を投げ出したいと思う日もあるが、懸命に踏みとどまるお咲。

そんな彼女の元に、誰もが楽になれる介抱指南の書を作りたいと、貸本屋の佐分郎太がやってきた。

人生の終盤をどう生き、どのように支えるのか。

長寿となった江戸の町に生きる人々の生活を描く物語。

 

江戸がそれほど長寿だったとは知りませんでした。

今の時代ほどではないにせよ、老いるという問題はどの時代にも付きまとうものですね。

『介護職』のはしりが江戸時代になるのでしょうか。今よりずっと人情的かと思いきや、大して変わらずってところが共感できるところです。

親の面倒は見るけれど、自分は誰にも面倒をかけずに死にたい。ピンピンコロリは今も昔も同じ。

けれど、そこにお咲は疑問を持った。どうしてそう思わなければならないのかを考えた。

老いるということは枯れるということ。

コロリと逝く人ばかりでなく、ゆっくりと静かに体の自由が利かなくなったり、時にはわがままになったり手がかかったりする。

それが老いるということなのだから、介護する方もされる方も、もっと楽になる方法があれば・・・と。

生も死も、自分の思い通りには行かない。

生まれてきたときと死ぬときは、人の手を借りなければならない。

それが当たり前だと思える社会になれば、と、そろそろ人生の折り返しが見えてきた自分は思うのです。

 

あなたが生まれてきたとき、あなたは泣いて、周りの人は笑ってた。

あなたが死ぬときには、周りの人が泣いて、あなたが笑う。

 

誰が言った言葉だったか、とてもすてきだなと思います。

神様たちのいた街で   早見和真

  • 2019.01.11 Friday
  • 08:18

JUGEMテーマ:読書

 

ごく普通に、当たり前に暮らしていた。その生活がずっと続くと信じて疑わなかった。

そんなある日、父が交通事故に巻き込まれた。

職を失い、お金に困るようになり、次第にある宗教へ傾倒していく父。

生活苦から、父とは違う神様を信じはじめた母。

その狭間で僕と妹のミツコは翻弄された。

大人たちはもう信じられない。

ぼくの「正しい」の基準は、親友の龍之介だけ。

この暮らしから逃げ出すためには武器がいる。僕だけの武器が。

 

何だかとても胸が苦しくなる話です。

この世界で、同じような家族はきっといる。大人たちの正義の狭間に立たされて、両側から腕を引っ張られてその痛みに耐えかねている子供たちはきっといる。

そんな風に感じさせる物語です。

でも、どれだけ両親が現実から目を背けてしまっても、彼は強かった。

自分と妹が生き延びるすべを全力で探していた。

出来れば、花火が上がる前に大人たちが気づいて、立ち止まって、考えて、修正して欲しいと思いながら、ページを閉じました。

残り者   朝井まかて

  • 2019.01.09 Wednesday
  • 13:58

JUGEMテーマ:読書

 

 

時は幕末、徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。

官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みる中、大奥に留まった五人の「残り者」がいた。

なにゆえ残らねばならなかったのか。

それぞれ胸の内を明かした彼女らが起こした思いがけない行動とは――(アマゾンより抜粋)

 

大奥の中で長い時を過ごした女性が、奥を出てどうやって生きるのか。その決断はまさに生死をかけたものだといっても過言ではないかもしれません。

今の時代のように自由に職につけるでもなく、女性が技術を身に着けることが容易ではない時代です。実家があればまだしも、親が亡くなり、跡目を兄が継いでいる人にとっては身を寄せる場所の確保も難しかったことでしょう。

江戸城に想いを残し、去りがたい気持ちと、最後までお役目にこだわる気持ち。それがとても感じられて切なくなります。

が、ラストは希望もあり、未来を感じさせてくれるものであったことが救いです。

ヤッさん   原宏一

  • 2018.12.29 Saturday
  • 07:58

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新米ホームレスのタカオは、ある朝、中年の男にたたき起こされた。

乱暴な口調と強面の顔で付いてこいと言われ、訳も分からず従った先は、築地市場と高級料理店。

そこで男は料理人を叱り飛ばしたり、市場の男たちと親し気に話をしながらタカオを紹介していった。

彼は銀座でヤッさんと呼ばれ、築地市場と高級料理店を行き来しながら情報を提供している食の達人ホームレスだった。

不思議な魅力のあるヤッさんに惹かれたタカオは、彼に弟子入りし、生きていく術とホームレスの誇りを教わることにした。

 

私はわが家が大好きなので、家を失ってもいいと思える心境はよく理解できませんが、家が枷になっている人にとっては、それは解放であり自由なのでしょう。

職がないということは生きていく術、基盤、未来がないことと考えがちですが、ヤッさんのようにホームレスになる前に自分の力でつかんだ何かがあれば、生きていけるのだということは、希望になるのだと感じます。

そういう生き方、感じ方、考え方があるのだなと、別の視点を教わった気がして目からウロコが落ちました。

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